≪電気代の平均的な料金と目標を把握しよう。節約はその後。≫
光熱費の中でもすべての家庭で発生するのが電気代です。東日本大震災後は注目された節電ですが、現在ではその必要性を感じにくく当時の節電意識が薄れてしまっているのではないでしょうか。既に電気の無駄遣いには気をつけているという家庭では、これ以上の節電、または電気代節約の余地はあるのか?という疑問も出てきます。そこで参考にしたいのが1世帯当たりの電気代の平均値です。
一人暮らし世帯の平均電気代は年間42000円程度で、月にならすと3500円程度となりかなり小さい数字です。一人暮らし世帯には独身者が賃貸住宅を利用する場合や高齢者が比較的築年数の古い持ち家に住む場合などが多く含まれていると考えられます。これらの住宅ではオール電化は少なく、ガスや灯油との併用が多いために電気代が低く抑えられていると考えられます。一人暮らしで電気代が月3000円台までであればこれ以上の節約の余地は少ないと思われます。プロパンガス併用の場合では電気代よりもプロパンガス代の方が高くなりがちなので、お茶や調理の湯沸しに電気ケトルを使用するなど電気の役割を増やしてガスを節約した方が光熱費の節約になる場合があります。ただし現在の生活のままで契約アンペア数を小さくできれば従量電灯の基本料金が下がりますし、時間帯割引の利用により電力料金単価を下げることで電気代削減が可能な場合があります。冷蔵庫やエアコンを省エネ性能の高い最新型に買い替えるエコ替えは効果が大きいのが特徴ですが、今後家族構成の変更や引っ越しの可能性が高い場合には慎重な判断が必要です。
4人家族の世帯では平均電気代は年間14万円程度になります。複数人世帯となっても一人あたりの電気代が意外と減らないのは、先ほどの一人暮らし世帯の場合とは逆にオール電化の採用率が多いことや、子育て世帯では在宅時間が長いために空調費が増加していると考えられます。オール電化では太陽光発電の自家発電を使用しない限りはこの平均電気代に近づくことは難しいでしょう。複数人世帯の場合では節電は一人で行ってもうまくいきません。エアコンの設定温度で喧嘩するのは嫌ですね。消費電力量と電気代を可視化できるHEMSがあれば家族全員の節電意識が高まるでしょう。コンセントと電化製品のプラグの間に挟むだけで消費電力量を測ることが出来る簡易型の電力計測器はホームセンターで購入できます。実際に計測してみると、蓄熱式暖房の電力消費が大きいことやエアコンでは夏の冷房費は冬の暖房費に比べて低いことが実感できるでしょう。